長い間沈黙してましたがやっと言葉にできそうなのでまとめます。
2020.3.22 ライブ休止。
2022.1月、ライブ復活後、活動ストップ。
実際の休止は11ヶ月と体感より短いです。

活動停止の理由はコロナよりも活動の年数の分だけ複雑に絡んだ糸を解く為でした。
最近やっと言語化できてきたので、2022年を跨ぐ前に伝えたいです。ざっくりまとめると

●ROACHという看板でコンスタントに作品を生み出す事がこれ以上難しい事。
●問題を解決する根気が俺個人、尽きてしまった事。
● 今後のROACHの活動について

の3つです。

ミニアルバムBreed of the Sunはもっとも濃い作品で、「ザ・俺達」な作品です。
その後活動して行く中、いい曲は沢山生まれましたが、進みたい方向とはバンドがズレていく事に危機感を感じてました。
何度も仕切り直しましたが、メンバー、事務所、その都度のプロジェクトメンバーと、イメージの共有は難しく、自分の力のなさに悔しくなる事が多々ありました。

自分を鼓舞する歌詞を書いて奮い立たせてきたし、そこが自分の詞の好きな所で、勝手ながらそこを好いてもらってると自負もありました。

ですが、ステージ上で希望を言葉にしてもカタチにできない事が増え、嘘をついてる気持ちになる事が増え、消耗していきました。
そんな中も、ライブが俺のフラストレーションを解き放ってくれ、支えてくれました。
創造性のヒントをもらえたし、解放でもあり、より激しいライブを感じる事に更にのめり込んでいきました。

その頃くらいからメンバーと自分のビジョンの違いも浮き彫りになってきました。
気付けば、作曲に必要な創造性を生み出す為にライブに置いた比重を、本来の創作にスライドさせる事が困難なバンドになっていきました。

後期は、やりたい方向へ軌道修正は始めたものの、
求められる音楽性と表現したい音楽性の隙間を埋めるには、あまりにもバンドの歩みは遅く、全てを賄う熱量を生み出すには、俺個人のキャパをとうに超えてしまいました。
ROACHが木で俺は養分なのだけど、俺が木でなければ保てない様な状態が長く続き過ぎました。

コロナ禍に入り、悩んでる間も何のアナウンスもできない事に罪悪感を感じて、解散した方がいいのではないかと何度も思いました。

結果出た答えは、
● 今解散はしないが、活動もなし。
●勝也さんと俺の2人のオリジナルメンバーに戻る。

という選択でした。

理由は、5人体制始動後、活動できず、殿、Ken、卯沙を留めておくのに申し訳なく思う事、そしてまだ一雫なら、絞れば落とせるのではないかと
思ってる事です。
でも今、一雫の為に干からびるのは止めにします。
来年で結成20年。曲を生み出せるのか
ライブをやれるのか、はたまた辞めるのか続くのか。
やり方を変えながらこの大切なバンドの行く末を見届けるつもりです。
悔しいですが、個人の思惑だけではどうにもならない事を改めて
思い知らされました。

バカみたいな話なのですが、
「バンドを辞めた方がいいのか?」と悩み続けたのは
「辞めたい」から悩んでいるのでなく、「辞めたくないけど続けられない」
という苦しみだったんだと、やっと腑に落ちたここ1〜2ヶ月ほどの話しです。こんな当たり前の事に何故気付けなかったんだろう。
「俺、バンドやりたいんだ」と認められた事で気持ちが楽になりました。

ROACHのTaamaでいる事がしんどくなったのも事実です。
活動できない以上、ROACHのTaamaを終えて、
Taamaとして生きる事がケジメだと思う風に解釈しようとしていた時期もありました。
ですが結果がどうであれ足跡は残り、辿った先が今に続いている以上、ROACHのTaamaとして生きていく事がケジメであり、これが俺の人生なんだと考えを改めさせられました。
思い通りにならない事や苦しかった事も含めて全部自分の人生。
いい報告に聞こえないかもしれませんが、俺の中ではポジティブな答えで、言葉にできた事はとても大きいです。
ROACHを好きでいる為に、ROACHのTaamaを好きでいる為に
必要な決断だと思っています。

勝也さんとは本当にいつも意見が奇跡的に噛み合わなくて呆れるほど論点がズレます。苦笑
いい様に作用した記憶はほぼないけれど(笑)それでも
普通に笑い合える友達って他にいないし
それが良く作用したと捉えるべきかもしれない。
俺の人生であるのと同時に、彼の人生でもあるから、その行く末を覗いてみたいという好奇心もあるかもしれません。

時間が経てば記憶は薄れ、関心も人も離れていくものです。
でもそれでもいいからこのバンドが何かカタチになる事を
望んでいます。
いつまでもわがままでばかりで申し訳ないけれど今までと違うやり方で
挑戦の余白を残す事にしました。

この約三年、コロナ禍で放出できないフラストレーションを全部アパレルの方に注いで生きてきました。
ひょんな事から、こーへーちゃん(ex.ARTEMA / NAMBA69)とクマちゃん(ex.MEDY / GRANRODEO)と新しいバンドをやる事にもなりました。
この二箇所で、色んな事を話せたし、フレッシュな視点からROACHを眺める事もできました。
またROACHは、お客さんにも大変支えられたバンドです。
投げ出す様な終わり方にならない様努めてるのも、申し訳ないとか、格好つけたいとか、そういった感情が頭の中にずっとあったからです。

この3つがなければ
ROACHと向き合う根気も、この答えも生まれなかった。
本当に感謝しています。ライブハウスで人と出会い、ロックとファッションを紡いで今日まで生きてきました。

これからも何も変わらずですが
今後はこの新しい二つの軸を中心に活動しながら、
ROACHの残りの雫をどうにか搾り出すつもりでいます。
俺の携わる全て、そしてメンバー、元メンバー達も含む沢山の表現達が
これからも皆の人生に寄り添えたら何よりも嬉しいです。

悩んだ時間の分だけかっこよく締め括るチャンスは逃してきたけど足掻いた故と思う事にします。
人生の絡まった糸を解いて、俺は今を生きたい。

ライブを、始めようぜ。 ROACH Vo. Taama